TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成プログラム研修生が、ワシントンDCで障がい者権利の祝賀会に参加
「TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成米国研修プログラム」の研修生3名が、2016年10月19日と20日にワシントンDCを訪問し、ノースロップ・グラマン社のスタッフや現地のコミュニティのリーダーと会談しました。
本プログラムは、ノースロップ・グラマンの支援によって実施されており、マサチューセッツ大学ボストン校地域インクルージョン研究所 (ICI)が実施運営を担当しています。
本プログラムの下、日本人研修生3名がボストンで5カ月にわたるリーダーシップ集中研修に参加しています。この研修の目的は中期的に、障がい者のリーダーを育成することで、また3名がそれぞれテーマを持って、研修を行っています。
早稲田大学在学中の粟井優衣氏は、障がいを持つ学生が米国でどのように大学生活を送り、アドボカシー能力を向上しているか調査しています。東京の立川自立生活センターの元ピア・カウンセラーの工藤登志子氏は、障がい者を含む多様な利用者のための公共輸送システムについて研究しています。また、東京所在のアビントンジャパンでネットワーク・エンジニアとして働いている高田朋美氏は、あらゆる人が利用可能な、ユニバーサルデザインを採用した、公共施設の実用化に関する調査を進めています。
今回のワシントンDC訪問は、ノースロップ・グラマンの支援で実現しました。参加者はバージニア州北部にある同社と、同社が協賛する移動式障がい者権利博物館を訪問しました。
工藤登志子氏は、博物館を訪れたの感想を次のように述べています。「米国では多くの場所においてアクセシビリティが高くなっています。また、あらゆる状況において障がい者に機会均等がもたらされています。しかしながら、こういった権利は自然に生じたものではありません。すべての権利は当事者が長い間戦って獲得してきたものです。次世代の障がい者リーダーは、障がい者の権利に関する歴史を知り、障がい者運動を継続して行かなければなりません」
粟井優衣さんも工藤さんの意見に賛同しています。「博物館で、権利、尊厳、生活のために、多くの障がい者が戦った歴史を知り、感銘を受けました。そういった先駆者の努力の上に、いまの私がいます。今度は、彼らのようなリーダーとなるために努力するのが私の責任です」
研修生3名はDCメトロ・ビジネス・リーダーシップ・ネットワークのミーティングに参加しました。自分たちの経験談を語り、参加者と同じように障がい者のリーダーシップを支援すると決意している地域のリーダーの話を聞きました。 その後、障がい者権利博物館の祝賀セレモニーに参加しました。セレモニーでは、ノースロップ・グラマン、グローバル・コーポレート・リスポンシビリティ副社長のサンドラ・エヴァース・マンリー氏、ミッション・システムズ副社長のテリ・マルコーニ氏、USBLNのCEO兼会長のジル・ホートン氏が開会の挨拶を行いました。
その後、博物館のキュレーターであるエリック・ヌードル氏と妻のアリソン・ギルキー氏の案内で博物館内を見学しました。両氏は、ドキュメンタリー映画『Lives Worth Living』の製作者でもあります。米国における障がい者の権利獲得の戦いについて話を伺いました。
高田朋美氏は今回のワシントンDC訪問について「この研修旅行で新たな気づきがあり、障がい者の権利と多様性の重要性を深く理解する機会となりました。ノースロップ・グラマンのスタッフの方々から、ボストンでの生活やインターンシップについて、先入観なしに多くの質問を頂戴しました。彼らは、とても熱心に我々の話に耳を傾けてくれました」
また、10月19日にはノースロップ・グラマンのダイバーシティー・インクルージョンチームと会食をし、20日には在米日本大使館を訪問しました。大使館ではワシントンDC地区における日本政府の優先事項と地域の活動について学びました。