TOMODACHI LEAD ON! Tour Japan Series 2016の報告会を開催
2016年7月6日、衆議院第二議員会館第一会議室にて「TOMODACHI LEAD ON! Tour Japan Series 2016」 プログラムの報告会が行われました。二週間にわたる本プログラムは、全米自立生活センター協議会(NCIL)と全国自立生活センター協議会(JIL)のパートナーシップにより実現しました。プログラムを通して、米国から若手障がい当事者5名と彼らの介助者および引率者が日本に招かれ、日本における障がい当事者による自立生活の先駆者で、JIL の代表を務める中西正司氏から立川の小学生を含む幅広い層の人々と交流を深めました。またメンバーはそれぞれ大阪、沖縄、筑波、名古屋をはじめ、東日本大震災の被災地である仙台と石巻市も訪問し、各地域での自立生活推進の現状と取り組みを視察しました。
帰国報告会は、NPO法人自立生活夢宙センター代表の平下耕三氏の挨拶から始まり、米国の若手障がい当事者5名とADA (Americas with Disabilities Act: 障害を持つアメリカ人法)スペシャリストのデイジー・フェイト氏によるプレゼンテーションが行われました。自立生活を可能とする施設の機能性における日米の違いや、ツアー中に出会った日本人障がい当事者と交流した際の経験などを伝える中、「飛行機で12時間も離れているところから訪れた私たちを、こんなに歓迎して頂き、居心地が良い場所であることに驚きを覚えたと同時に、とても感謝している。」とプリヤ・ペンナー氏は語りました。他にも、「立川市では小学校を訪問し、交流しました。日ごろ高校生・大学生に向けての活動が中心なので、小学生を通して、学ぶことがたくさんあった。」とケリー・グレイ氏は語り、プレゼンテーションの途中で涙ぐむプレゼンターもいました。また、「障がい当事者の自立生活をサポートする次の世代、特に若い女性のネットワークを拡大していくことは、これから先とても重要なことになる。」とデイジー・フェイト氏は促しました。
休憩時間中には、会場にいた日米の障がい当事者が通訳を介して談笑する場面が見受けられ、それぞれの今までの経験や活動内容を共有しました。
報告会の後半は、障がい者インターナショナル(DPI)日本会議専務の佐藤聡氏による「日米協力とIL(Independent Living:自立生活)サミットに向けて」のプレゼンテーションが行われました。佐藤氏は、これからの目標として、日米の交流をこれからも深めていくこと、そして日米の若手障がい当事者に手を組んで様々な活動をしてもらいたい、と述べました。その他、「志」ILネットワークという世界規模の障害当事者のネットワークの紹介及び活動報告もされました。「『志』とは、日本人の魂を揺さぶる言葉だ。」と佐藤氏が語る中、「志」ILネットワークとは自国を変えるための活動を通して、心を豊かにさせる団体であることを強調しました。
最後に、NCILセミナー2016とILサミット2017の実現に向けて、日米をはじめ全世界で協力し、お互いの国の障がい当事者の自立生活促進に向けて刺激し合おう、と力強く帰国報告会は締めくくられました。今後、日米の当事者が手を取り合い、様々な活動を通して自立生活がより広まることが期待されます。
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