米国の食と農業の文化を学び、TOMODACHI FIRSTプログラムの参加者は日本に帰国
コミュニティー、成長、リーダーシップ、そして革新。これらの言葉は「再生」に深く関わるキーワードです。2011年の東日本大震災以来、東北地方では復興活動が積極的に行われてきました。その中でも特に農業の分野は東北の若者のおかげで凄まじい成長を遂げています。
TOMODACHI Food Innovation for Regional Sustainability in Tohoku (FIRST)プログラムは、東北地方を中心に日本の食と農業の革新を起こすために活動している次世代リーダーに投資しています。震災後の土壌荒廃や放射線といった困難に直面した人々は、自らの事業を維持し、商品の安全性の認知度を広めるために以前よりも革新的で創造的な取り組みに励むことが必要となりました。そこで、TOMODACHIイニシアチブはiLEAPとパートナーシップを組み、米国の農業の現地視察と最前線の食と農業についての知識を提供するため、10名の参加者をワシントン州シアトルに招きました。シアトルではオーガニック食、“Seed to Table” (タネから食卓へ)のコンセプトや料理人のアリス・ウォーターズ氏の教え等といった様々なアメリカの食文化に関する分野について学びました。その上、現地の日系コミュニティーとアメリカの食品事業で成功を収めて「アメリカンドリーム」を手に入れた日本人の方々との交流を深めました。
2015年6月6日から18日までの間にTOMODACHI FIRSTプログラム第1期生たちはワシントン州シアトルに二週間滞在し、同じ食品事業で活躍するアメリカ人に会い、アメリカ流の食べ物の生産と加工法について学びました。参加者たちは革新的かつ持続可能性を持つ東北地方のフードシステムの長期計画をたてる願望を表しました。また、参加者の多くは自らのビジネスをグローバル的に展開し、現代的で国際的な哲学を仕事場に紹介する意気込みを示しました。7月27日には東京にて集結し、それぞれ革新的かつ持続可能性を持つ東北地方の食品事業に関しての長期計画を発表しました。
AERAに掲載されたトップ100に入る日本人革新家として挙げられた岩手県出身の下苧坪之典氏は「健康に良い食べ物が手に入らない人々が多すぎる現状を変えたいと思っています」と語りました。食品事業の世界の中での相互協力を最優先している下荢坪氏は、引き続きシアトルで出会った友達や恩師(メンター)から刺激を受けたいと今後の意気込みについても話しました。
自発性のある佐藤友美氏は2011年3月11日の震災後、自分の地域を復興に貢献するため直ちに行動し、「石巻元気商店」を設立しました。この通販サイトは地元の農家や漁師の新鮮な農産物や海の幸を提供しており、現在50の地元農家と契約を結んでいます。このサイトを通して地域を悩ませている失業状態を和らげ、人々に希望と持続可能性の機会を若い世代に提供しています。彼女はこれからも本プログラムで結ばれた人々との間のつながりを通して自分の地域を活気づける活動に励むことを志しています。
下荢坪氏と佐藤氏の活動はTOMODACHI FIRSTプログラム第1期生全体の東北地方の食品事業に関する革新的な取り組みに対しての熱意とリーダーシップを代表しています。
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このプログラムは、トヨタ自動車、三菱商事、