NGOリーダーが人道援助ワークショップに参加
2014年10月27日から31日にかけて、国際人道支援組織ジャパンプラットフォームの提携により、埼玉県国立女性教育会館にてJ.P.モルガン支援TOMODACHI NGOリーダーシッププログラムの人道援助ワークショップが開催されました。日本、中国、台湾、韓国から様々な分野で活躍する26名のNGOプロフェッショナルが一同に会し、様々なワークショップを通してスキルや知識の習得、将来の災害に向けてのNGO同士のネットワーク作り、人道支援における査定やアカウンタビリティ、セキュリティ管理など異なる専門知識や経験の共有をしました。日本、中国、台湾、韓国の4ヵ国から様々な分野のNGOで活躍するプロフェッショナルが一同に会し、アカウンタビリティー、セキュリティーマネージメント、管理や評価といったスキルや知識を習得しました。更に、将来の災害に備え、専門知識を持つプロフェッショナルのためにネット‐ワークの場を提供しました。
ワークショップではシュミレーションやロールプレイを行い、参加者達はプログラム前半で学んだことを実践的に活用することができました。わかちあいプロジェクトのプログラム担当中島美穂氏は、「このプログラムは人道援助に関する知識を網羅して学ぶことができ、加えてキャッシュトランスファーなどの自分にとっては全く新しい事柄も知ることができました。もしこの機会がなければ学ぶことのできなかった重要事項を幅広く学ぶことができ、これほど短い時間の中で多くのことを吸収できたことに満足しています」と話しました。
シュミレーション研修では、架空の事例をもとに実践的なトレーニングが行われました。スタッフは政府や国際機関、現地の被災者の役を務め、参加者は6つのNGOのグループに分けられ、洪水と地崩れの起きた架空の国に対し支援を行う研修でした。東京を拠点に非営利NGOコンサルタントとして活動している、講師のサラジーン・ロシット氏はシミュレーションセッションについて、「各団体が目標を達成しようと努力をしているのが見受けられたが、その結果ほとんどの団体が一斉に情報などを求め、被災地に集まってしまったことは問題である」と振り返りました。そして、そのことについて気付き始めた団体もいたものの、彼女は各団体が直接被災地に情報を求めるのではなく、NGO間での協力体制があればより効率的に情報収集も可能となり、さらに、NGO間での協力のためには団体間での日々のコミュニケーションが欠かせないということも示しました。このプログラムはNGO団体を団結することに役立っただけでなく、今後の日本のNGOの発展に必要なものを明確に提示することができました。
研修は、情報共有の大切さやNGO間での協力の必要性を強調しました。食料の確保や医療支援、避難所の建設や女性、子供の保護といったそれぞれ異なる目標を持つNGO間での協力の重要さを再認識しました。災害が起きたときには、異なる分野で迅速な対応を必要とするニーズが発生します。このワークショップを通じて、自らの目標である分野に集中するばかりでなく、NGOのリーダーたちはその他の機関や地域との、コミュニケーションとコーポレーションの必要性をはっきりと認識しました。
1週間にわたるトレーニングは次世代のNGOのリーダーに、迅速かつ専門的に対応する知識を与えただけでなく、お互いに出逢い、密な関係を構築する機会を提供しました。このプログラムにより、将来の災害救助活動と、日本やアジア、世界中で協力しあい目的を達成する次世代のNGOリーダーを育てることに大きく貢献しました。