J.P.モルガン支援のTOMODACHI NGOリーダーシップワークショップ、二日間の人材育成ワークショップを開催
2014年9月25日から26日に、J.P.モルガン支援のTOMODACHI NGO リーダーシッププログラムが開催され、国際文化会館に様々なNPOから参加者が集まりました。このプログラムはアメリカに拠点を持つNGOマーシー・コー(Mercy Corps)と日本のNGO組織ジャパン・プラットフォームによるパートナーシップのもと開催され、成果を発揮し続けるためのチーム形成から、成果を維持していくために必要不可欠なスキル向上に焦点を当てた講座が開かれました。
様々なNGOの管理職級に就いている参加者を集めた初日の9月25日は、ジャパン・プラットフォーム新事務局長の飯田修久氏、J.P.モルガンCSRユニットの青木 奈緒子氏、TOMODACHIイニシアチブ プログラム・マネージャーの宇多田カオルによる挨拶で幕を開けました。その後、講師を務めたマーシー・コーのグローバル・リーダーシップ・デベロップメント、シニア・ディレクターのクリスティーン・ヒブラー氏は「先入観を持たず新しいアイディアにも是非開かれた心で耳を傾けてほしい」と参加者に呼びかけていました。ビデオ資料、ブレインストーミング、グループディスカッションなどを通じ熱い議論が繰り広げられていました。マーシー・コーの東アジア・パートナーシップディレクターであるランディー・マーティン氏は「同じ仕事で最後の結果が同じならば、チーム全体がやる気にあふれ楽しい職場の方が、つまらない職場より頑張る気力がはるかに湧くだろう」と述べ、仕事に対してチームがやりがいを感じている状況を維持することの大切さを強調しました。
ワークショップ後半では単に「教える」とは異なる「コーチング」スキルについて学びました。「人は、他人に指示されて作業するより、自分で決めて作業する方が責任を持って最後まで全うできるものだ」とヒブラー氏は違いを説明し、参加者は熱心に耳を傾けていました。人は他人の外見・行動だけを見て、自分の経験に基づいて真実とは限らない推測をしてしまいがちだが、チームをまとめる立場にある者の役割はそこから一歩離れ、相手の真意や立場を良く知ることでより良い方向にチームを導いていくことであることだと説明し、相手に対して適切な質問をすることの大切さを強調しました。
ワークショップの成功は、参加者からの声にも表れています。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの甲斐 秀穂氏にとってこのようなマネージメント研修は貴重なものとなったそうです。難民を助ける会の穂積 武寛氏は自分の組織の強み・弱みを再度確認することができ、長期的な目標を達成するステップとして短期的な目標がいかに大切かということを改めて学んだと感想を寄せています。
翌日9月26日にはNGOの活動において現地でチームをまとめる責任を持つ立場にあるリーダーが集まり、同様のテーマについて議論を重ねました。Bridge for Fukushimaのカトウヨウスケ氏は「リーダーシップを学び、福島での活動に生かしたい」という意気込みを語り、「福島のために新しい試みにチャレンジしたいが達成するためにはまだまだ多くのことを学ぶ必要がある」と述べました。日本ソーラーエネルギー教育協会に参画しているある母親を支援しているシライサトコ氏は「外国、特にアメリカでのNGOに比べると日本のNGOコミュニティは強い、とまだまだ言い切れません。資金、人材などNGOのリソースは限られています。日本でNGOの活動の場を広げていくためには人の育成に尽力して土台を強固なものにしていくことが不可欠で、このようなワークショップの必要性はこの先高まっていくでしょう。」と語っていました。
J.P.モルガン支援のTOMODACHI NGO リーダーシッププログラムの目的は、国際的なパートナーと共に長期的に社会にインパクトを与えられる日本のNGOコミュニティーを強化し、活気のあるものにすることです。このプログラムは、他では得られないネットワーク、知識、情報などを日本のNGOに提供する貴重な場となっているのです。