4名の東北高校生がTOMODACHI世代としてH-LABに参加
2014年8月に、160名の参加者を東京、長野県小布施町、徳島県牟岐町の3か所に迎えて今年で4年目となるH-LABが開催されました。アメリカのリベラルアーツ教育をテーマに行われるこのサマースクールは2011年以来、様々な背景や想いを持った学生たち同士の交流を深め、数多くのセミナーや議論を通して自分の手で進路を選択するきっかけを提供してきました。TOMODACHIイニシアチブは2013年度より、H-LABに数名の東北からの派遣生を送るという形で支援を続けています。今年は4名の東北出身の高校生が選ばれ、多様性に溢れた9日間を過ごしました。
H-LABの特筆すべき点は、高校生たちが普段接しないような人々と交流する機会が豊富に提供されるということにあります。小布施町でプログラムに参加した山田真衣(やまだまい)さんは、H-LABは自分の視野を広げるきっかけとなったと語っています。今まで接することのなかった世界の人々から今までの経験、アドバイスを聞く中でアメリカの大学に応募するということも潜在的な選択肢の一つとしてあるのだということに初めて目を向けることができたそうです。将来の進路が未定の学生たちも多くいましたが、多くの高校生が、夢を持つことの大切さを改めて実感していました。東京会場の参加者、奥山瑠捺(おくやまるな)さんはこのように述べています。「H-LAB で出会った人たちはみなそれぞれ違った道をたどって現在に至り、多様な視点を持ち、夢を持っていました。しかし皆さんに共通していることは夢に向かって努力する前向きな姿勢です。皆さんのように私も自分の将来に向けて精いっぱいの努力をしていきたい、と勇気が湧いてきました。」
多様な背景、想いを持った人々との交流を通して自分自身について振り返り、新しい気付きを見つける高校生も多かったようです。東京会場の参加者、及川皓太(おいかわこうた)さんは新しい環境でチャレンジする経験を経て、今まで知らなかった強みがあることに初めて気づいた、と話していました。自分の長所を見出しすことで、自信を得る参加者も多くいました。東北からの派遣生の一人、森 勇貴(もりゆうき)さんは「普段接さない方々との出会いがあったからこそ、自分自身についての発見も多かったのだと思います。自分をよりうまく表現できるようになり、今までよりも自分が好きになりました」と話していました。
H-LABが提供するのは高校生たちが「本当にやりたいこと」を見つけ、学びたい学問分野を選ぶための手助けだけに留まりません。プログラムで得られる刺激的な出会いというのは彼らの原動力となり、長きにわたって高校生たちの支えとなるのです。東北からの派遣生をはじめ、参加者たちにとって自分の前に広がる無限の可能性に目を向けることになったこの夏は、決して忘れられないものとなったことでしょう。