TOMODACHI世代:コール・マーフィー
コール・マーフィー氏は、アラスカ州出身の大学生。2015年5月、アラスカ大学アンカレッジ校の学生として岩手大学と合同で実施されたTOMODACHIプログラム、「TOMODACHIアラスカ大学アンカレッジ校-岩手大学KAKEHASHIプログラム」に参加。翌2016年に、マーフィさんは両校が結んだ大学間交流協定の第1回交換留学生に選出されました。
私の大学の日本語学習プログラムは「モンゴメリ・ディクソン日本語・日本文化センター」という名称です。私たちの先輩で、活動的で親切だったモンゴメリ・ディクソンさんを記念して名前がつけられました。生徒たちにとっては、「モンティ先生」として知られていました。ディクソンさんは、語学指導等を行う外国青年招致事業「JETプログラム」に参加し、陸前高田市でALT(外国語指導助手)として仕事をしていました。モンティ先生はアラスカ州と米国を代表する模範的な人物で、私のようなアラスカの学生が日本と米国の間に文化の架け橋を築いていくための道を開いてくれました。しかし、悲劇的なことにモンティ・ディクソンさんは、2011年3月11日に起きた、東日本大震災による津波で亡くなられました。その日の朝、モンティ先生は日本の作家、司馬遼太郎の言葉を訳していました。「世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない」という言葉です。
私は自分の旅が続くにつれ、モンティ・ディクソンさんが切り開いてくれた道を歩んでいることに気がつきました。津波が起きてから数年後、ディクソンさんが生活をし、仕事をしていた陸前高田市を訪問し、大学時代に最も影響を受けることになるプログラムに参加しました。2015年5月、アラスカ大学アンカレッジ校の学生とスタッフは提携を結ぶことになる岩手大学と一緒にTOMODACHIが支援し実施しているプログラムに参加しました。私たちは陸前高田市を襲った震災のの体験者から直接話を聞く機会を得ました。また、記念碑や復興の様子を視察し、、効果的な防災と復興計画について討論を行いました。アラスカ州も地質学的に環太平洋火山帯に位置しており、甚大な自然災害に直面するリスクが非常に高くなっています。そのために、私たちが学んだことや反省点を下記リンクのe-Portfolioにまとめて掲載しています。
このプログラムで最も印象に残った体験は、大日如来坐像にまつわる話を学んだことです。下記の写真に写っている大日如来坐像は、陸前高田市の高田松原にあった松の木の流木を使用し、心を込めてノミを入れ制作されました。一本松と同じように、大日如来坐像も陸前高田市民、モンティ先生の友人や家族、そして多くの人たちにとって希望の象徴となっています。
モンティ・ディクソンさんの最後の翻訳を思い起こせば、私は持続可能なコミュニティーを作るための学問や実践、教育に一生を捧げていく道の途中にいます。具体的には、国際的なNPO法人WWOOFを通じて、岩手県で有機農法を行っている農場や養蜂場でボランティア活動をして、自然の中で伝統的で持続可能な地域社会の生活を体験し、学んでいます。大学における研究では、学んだことを細部にわたってブログや日誌に書き込んで参りましたので、、それらがアラスカに届き、アラスカの人たちに日本をより身近に感じてもらえることを願っていますいます。TOMODACHIアラムナイの仲間たちやリーダーが私と共にいて下さることを知り、力を感じました。私も彼らと共にいます。
UAA 日本から学ぶ教訓 e-Portfolio:
https://alaska.digication.com/geog_490_japan_tsunami_lessons_from_japan/Background/
UAA モンゴメリ・ディクソン日本語・日本文化センター:
https://www.uaa.alaska.edu/academics/college-of-arts-and-sciences/programs/montgomery-dickson-center/