TOMODACHI世代: オマール・サラセヴィッチ
オマール・サラセヴィッチ氏は、2015年のTOMODACHI Toshiba 科学技術リーダーシップ・アカデミー、5月に三重県伊勢・志摩で開催されたジュニア・サミットに米国代表として参加したTOMODACHIアラムナイです。現在、バージニア州アレクサンドリア市にあるトーマス・ジェファソン科学技術高校在学で医用生体工学に関心を寄せています。
サラセヴィッチ氏が三重県伊勢・志摩で開催されたジュニア・サミットに参加した体験は以下の通りです。
前回の日本への渡航から1年も立たないうちに、デンバーから成田行きの飛行機に乗り込もうとしていました。日本への滞在は人生で2回目で、初回はTOMODACHI Toshiba科学技術リーダーシップアカデミーへの参加時、日本人8名と米国人8名の合計16名の高校生が協力し、未来のためのスマートコミュニティを構築するという課題に取り組みました。そこでの経験が、私の背中を後押し、日米関係の強化に貢献し、また日本を訪れたいという想いにつながりました。
今回はジュニア・サミットの米国代表として日本を訪れました。去年の夏は、東京で多くの時間を過ごし、観光地である浅草やスカイツリーなどを訪れたのに対して、今回は三重県の伊勢・志摩や桑名市を訪問しました。
2016年4月19から29日の間、G7各国を代表し集結した27名は、男女不平等や気候変動、経済格差、人的資本など、さまざまな課題に対して解決策を見い出すべく議論を重ねました。私たちのグループは、経済格差をテーマに、先進国・発展途上国の間の資本格差の是正や汚職の撲滅、租税回避などを問題点として指摘し、解決策について考えました。桑名市での終盤には、グループを代表し、安倍昭恵内閣総理大臣夫人、鈴木英敬三重県知事、伊藤徳宇桑名市長の前でプレゼンテーションを行うという光栄な機会に恵まれました。
三重県を滞在中、地域の漁師の方々を訪ねこれまでの汚染問題や環境保全のための取組みについてお話しを伺いました。ほかにも、地元高校生が調理を担当し振る舞われた世界でも有名な松阪牛を堪能したり、三重県の専修寺を訪れるなどして過ごしました。特に印象に残っているのは、日本一うるさいと言われる石取祭に参加したことで、太鼓と鉦の囃し方を覚えました。また、お祭りの参加後にはなばなの里へ足を運び、G7各国の国旗を描くように並べられた花壇やLEDイルミネーションを楽しみました。
日本の滞在の最後には、東京へ戻り、安倍晋三首相公邸を公式訪問しました。そこでは、これまでの滞在中何を行ったか共有し、取り組んだ成果文書についてプレゼンテーションを行いました。そのあと、在日米国大使館を訪れ、キャロライン・B・ケネディ駐日米国大使にお会いし、この滞在中に取り組んだことや将来の夢についてお話しさせて頂きました。
中でも、キャロライン・B・ケネディ駐日米国大使にお会いし、ぎりぎりまで討議を重ね策定した「桑名ジュニア・コミュニケ(声明)」を手渡せたことは、本当に素晴らしい経験でした。日本を離れる前には、筑波大学附属高校の生徒宅でホームステイを体験しました。
ジュニア・サミットへ参加できたおかげで構築できた、一生涯の関係を今後も連絡を取りながら築いていきたいです。日本人家庭にホームステイをし、一緒に囲んだ家族との夕食やホストブラザー・ホストシスターとの日常会話は、とても貴重で大切にしたい思い出です。別れを告げ、米国に戻る際にはすでに、心に穴があいたように感じました。しかし、また必ずこの一度ならず二度も自分を迎え入れてくれたあたたかな国に戻ってくるんだと自分に強く誓いました。
追記: この場を借りて、この機会を与えてくださった皆さんに感謝を申し上げます。米国代表として選考してくれた、米国務省の方々、米日カウンシルおよびTOMODACHIイニシアチブの方々、そして滞在中支えて下さった外務省の方々、イオン1%クラブの皆様、誠にありがとうございました。