TOMODACHI世代: 白岩春奈
白岩春奈氏は、平商業高校1年生の時にTOMODACHIサマー2012ソフトバンク・リーダーシップ・プログラムに参加し、3週間カリフォルニア大学バークレー校のキャンパスにてグローバルリーダーシップスキルとコミュニティサービスについて学びました。日本に帰国後、いわき市の観光激減を盛り上げたい一心にプログラムの仲間とTOMOTRAを設立しました。TOMOTRAはHISとパートーナーして、2013年の春からいわき市のツアーを開催しました。
3.11、震災の起きた日、私は中学2年生の14歳でした。その日は午前中に中学校の卒業式があり、地震が起きた午後2時46分には福島県いわき市の海辺から150m(500フィート)程の自宅にいました。地震が起きて、近所の人達と近くの公民館に逃げ、その後もしばらく避難所や親戚の家で暮らしました。
当時14歳だった私は、震災の影響で世の中が不安になり、大人達が復旧活動・支援活動を行っている中、何もできず、じれったさを感じて日々過ごしていました。悶々とした思いとともに、何か自分にできることはないか探していた時に、「TOMODACHI Summer 2012 SoftBank Leadership Program」に出会いました。もともと留学や海外での生活に興味のあった私は、このプログラムを通して、アメリカで、震災で被害にあった自分の住む地域のために役立つことを学べると知り、応募しました。今考えると、震災がなければ、地元のことを考えることも、何か行動したいと思うこともなかったと思います。
3週間のアメリカ滞在のなかで一番印象に残っているのがバークレーで学んだ「Y-PLAN」です。日本の授業にはない、チーム活動や課題解決型の思考を学びました。具体的には、3-4人の小グループがチームとなり、バークレー市の課題を見つけ、解決策を調べることで、どうしたら地域が活性化するかを考えました。その中で経済が豊かになるためには集客、つまり人がたくさん集まることが必要だということを学び、それがとても印象的でした。昨年8月の帰国後すぐに、バークレーで学んだことを地元でも生かしたいと思い、観光業を考えました。私の地元・いわきは震災前は毎年10,000,000人を超える観光人口がありましたが、震災後、原発の影響で3,000,000人に減りました。地元に活気を取り戻すために、私たちがツアーを企画しガイドをするというTOMOTRAを考えました。
しかし、TOMOTRAを立ち上げ、地元いわきで賛同してくれる仲間は見つかったものの、何をどう進めて良いか分からず、打ち合わせをしても、なかなかアイデアの出ない月日が流れました。そもそも「いわきの魅力は何か?何を一番伝えたいのか?」についても分からなくなり、ツアーのコンセプト作りが最初のハードルになっていました。そんな中、12月にHISの役員・社員800人にいわきの魅力を伝える機会をいただきました。それが突破口になり、テレビCMの撮影や、実際のバスツアーを作ることができました。一人ではできないことも、TOMODACHIの仲間とHISと地元の大人の支援のもと、先週、何とかリリースにこぎつけました。
TOMODACHIの経験を通じて、“失敗しても良いから、まずやってみる”ことの大切さを学びました。TOMOTRAでも、仲間と意見が合わず、プロジェクトが思うように進まないこともありました。しかし、とりあえず自分が動いてみる、やってみることで、少しずつ、変化が生まれていきました。この経験から、私は将来教育事業に関わっていきたいと考えています。記憶型の学びではなく、Y-PLANのような思考させる教育を日本でも広めていき、行動できる若者を育てたいです。
私が今このように活動できたのもTOMODACHIのおかげです。本当に貴重な経験ができたことを感謝しています。ありがとうございました。
TOMOTRA in いわき バスツアー
TOMODACHIサマー2012ソフトバンク・リーダーシップ・プログラムの仲間と設立したTOMOTRAと旅行会社のHISが、2013年の春と夏に福島県いわき市の一泊二日のツアーを開催します!詳細と予約はこちらをご覧ください。