TOMODACHIアラムナイがキャンプを体験in石巻:第2回TOMODACHIアラムナイ・災害復興トレーニング・プログラム
2016年7月2-3日の二日間、高校・大学生のTOMODACHIアラムナイ14名が石巻で開催された第2回TOMODACHIアラムナイ・災害復興トレーニング・プログラムに参加しました。実際に災害支援活動を現場で続ける専門家の方々から、実践的なスキルや知識を学びました。
このプログラムは自身もTOMOACHIアラムナイであるロビン・ルイス氏(国際NGOピースボート勤務)や、一般社団法人日本イスラエイド・サポート・プログラム(JISP)の心理社会サポートの専門家の方々を講師陣に迎え運営・実施されました。ピースボートは、東京に拠点を置く国際NGO(非政府組織)で、平和・人権の観点から国際問題や地球環境問題に取り組んでいます。JISP は、イスラエル国際人道支援フォーラム(IsraAID)が日本で継続的に支援活動をするために、2013年に設立された団体で、日本中で自立型心理社会のサポートを提供しています。
二日間を通して、実践的・理論的なアプローチから災害復興のテーマを考察しました。一日目は、防災、危機管理、安全の手順について学び、さらにボランティア活動で被災地を訪れる際の準備や注意事項を学びました。夕食時はグループに分かれ、災害時を想定してレトルト・インスタント食品などの非常食を活用して食事を作りました。そのまま、一日で学んだことをグループ内で振り返り、各自の気付きや感想を共有しました。二日目は、心のケア「サイコロジカルファーストエイド(PFA)」についてやボランティア活動時に共通して身につけておくべき心構えや対応を学び、津波の影響を受けた石巻市内数カ所(日和山公園、石巻ニューぜ)を見学し、物事を客観的視点・価値観から理解する練習をしました。最後に、プログラム全体の振り返りを兼ねた会で各自この二日間をどのように捉え、今後どのようにこの経験を活かしたいか共有しました。
出身地、年齢等、様々な経歴を持つ参加者が集い、合計で7つのTOMODACHIのプログラム出身者が集まりました。各々が持つ経験によって異なる、それぞれの学びや気づきを共有しました。参加者14名中半数は初めてのアラムナイ・プログラムへの参加でした。
二日間のトレーニングを通して、ストレス・マネジメント、危機管理、ボランティア活動におけるリーダーシップのあり方を学びました。参加者の内、多くが災害支援に高い関心をもち、すでに日頃から復興支援に携わる学生です。にも関わらず、プログラムに参加し、新しい知識が得られたと話してくれました。参加者の一人は、「このプログラムは災害復興を新しい視点から捉えていて、とても現実味がありじます。」と語りました。
演習の折、参加者は実際のボランティア活動で想定される問題にも直面しました。寝泊まりのためのテントの設営を始め、インスタント麺を活用した夕食づくりなど、机上では知りえない経験ができました。ボランティア活動時には、多くが初めての活動時に想定外の問題に悩まされますが、本プログラムを経験したアラムナイは、災害時にも柔軟な対応が期待できるでしょう。
中でも、震災により甚大な被害を受けた石巻市南浜町への訪問が多くのアラムナイにとって印象深かったようです。当時、多くの方が避難した日和山公園の高台に自らの足で登り、震災発生時の状況に思いを馳せました。また、その他にも被災地を訪れ、災害支援への想いを強くしました。
佐藤桃華氏は、宮城県出身ですが、本プログラムで初めて石巻を訪れたと言います。東日本大震災で直接被害はまぬがれたことから、震災時の経験を誰かに話すのが恐かったと話してくれました。また、佐藤氏は続けて「災害支援は、国全体で取り組まなければならなず、どれだけ被災したかは関係がないと気が付きました。リーダーとして、もし災害が発生した際には、状況をきちんと把握し、いつ動くべきか見極められる人になりたいです。」と、関心をもち関わることの大切さに気が付いたと述べました。
本プログラムでは、今現在のそして今後のボランティア活動への新たな価値観や気づきを与える機会となりました。
ワークショップ終了時には、修了証書が参加生徒一人一人に手渡されました。このプログラムは、プルデンシャル財団の多大なご支援により実現可能となっています。