TOMODACHIアラムナイが渋谷 健司氏を迎えた「米日カウンシル主催第23回ビジネス・アドバイザリー・ボードミーティング」に参加
2021年4月12日、米日カウンシル主催の「第23回ビジネス・アドバイザリー・ボード ミーティング(BAB)」がオンラインで開催され、TOMODACHIアラムナイ(プログラム経験者)4名が出席しました。当会では、キングス・カレッジ・ロンドンで教授および公衆衛生研究所長を務める渋谷健司氏による「新型コロナウイルス感染症の世界的大流行への対応策: 日本と海外における学び」と題する基調講演に、40名を超える様々な業界を代表するビジネスリーダーが集いました。日米関係を担う次世代リーダーとして、TOMODACHIアラムナイが参加するのは今回で13回目のことでした。
基調講演の冒頭で、渋谷氏は日本とイギリスにおける新型コロナウイルス感染症への対応について、米国を含むその他の国々の例も挙げながら深い考察を共有しました。また、様々な研究知見や科学論文を比較分析し、日本が初期の段階で爆発的な感染の拡大を避けることが出来たのは、感染経路を遮断するための国民の努力に大きく依存したことを指摘し、感染源の早期発見と隔離、そして新型コロナウイルスの特徴ともいえる無症状感染の抑制のために、大規模な検査体制の整備に取り組むことの必然性を示しました。日本におけるワクチン接種開始の遅れの背景には構造的および歴史的な理由があるものの、免疫力を高めるためによりスムーズにワクチン接種を拡大する重要性を強調しました。渋谷氏は、大規模な検査とワクチン接種は、英国などの他国でその効果が立証されている重要なアプローチであると述べました。
講演後の質疑応答とネットワーキングセッションでは、2018年のTOMODACHI 住友商事奨学金プログラムのアラムナイである吉田高志氏が、新型コロナウイルスがインフルエンザのような季節性の病気になる可能性について尋ねました。渋谷氏は、進行中の世界的流行を封じ込めるまでにワクチンが広く普及すれば、季節性となる可能性を認めた上で、インフルエンザよりも強い感染力を持ち、一部の人々により深刻な症状を引き起こす新型コロナウイルスの特徴に触れ、今後も大きな社会的影響を持ち続けることを警告しました。
今回の経験を振り返り、TOMODACHI MetLife Women’s Leadership Programのアラムナイである中村由佳氏は「製薬業界で勤務しているため、渋谷氏の講演にとても関心がありました。本日学んだことを同僚と共有したいと考えています」と述べました。
現行策や出口戦略の欠点、科学界の独立性、ワクチンの安全性と接種に対する躊躇、日本の製薬業界のあり方など、さまざまなトピックについて活発な議論が行われ、当会は幕を閉じました。