社会起業精神とリーダーシップについて、日米高校生が東京・福島とワシントンD.C.で学ぶ
2016年7月16日から1ヶ月間、「TOMODACHI米日ユース交流プログラム」が米国ワシントンD.C.と日本で実施されました。都内の高校生5名、TOMODACHIアラムナイ(プログラム経験者)4名(福島県出身3名、宮城県出身1名)、ワシントンD.C.公立高校9名の計18名が参加しました。プログラム期間中、リーダーシップや文化交流、地域貢献、市民活動(civic engagement)、社会起業精神、多様性、歴史等様々なテーマについて学びを深めました。
前半2週間はワシントンD.Cに集結し、日米関係について理解を深めながら、社会起業家の方々との交流をはじめ、移民をはじめとする多様化する社会における市民活動や支援プログラムについて学びました。
「D.C.セントラル・キッチン」と呼ばれるホームレスの食事の支援、学校での食育などに取り組んでいる非営利団体を訪問し、ボランティア活動への参加を通して、市民活動の取り組みや意義について、実体験を通して学びを深めました。同団体は、元受刑者を積極的に採用し、社会参画を促しています。
さらに、参加者は日本人が代表を務め、若手芸術・科学・起業家支援をしているS&R財団所有のハルシオンハウスを訪問しました。同施設は、社会起業家支援の目的で、住居やオフィススペースとして活用されています。S&R財団内プロジェクトである、ハルシオンインキュベーターのディレクターと社会起業について議論を深め、中には刺激を受け、社会起業家を目指す参加者も現れました。
7月31日にはプログラム後半を迎え、日本へ移動した一行は、東京と福島を2週間訪問しました。日本の若い世代が、社会問題に関心を寄せることを目指しNPO創設したTOMODACHIアラムナイ(プログラム経験者)の社会起業家と交流の機会もありました。中でも、最も忘れがたい経験となったのが、宮城県本吉郡南三陸佐藤仁町長との面談です。町長は、2011年3月の東日本大震災でのご経験を踏まえ、「全体のニーズを把握することが大事」と、個人の利益追従よりも全体の利益を考える大切さを力強く説きました。
日米両国の生徒が、共にプログラムを経験することで、お互いの立場から母国や文化を再発見し、より深い理解に繋がりました。また、日米での様々な課題や機会について真剣に議論を重ねる中で、参加者はグローバルに活躍する能力を一層高めました。
TOMODACHI世代の声
「今まで、これまでの失敗は一生ついて回るものだと思っていました。しかし(プログラムのワークショップや話し合いを通して)今回考え方が変わりました。自分の将来は、自分次第で築くことができる、との考えに至りました。」
―小泉彩音氏、福島県、高校2年生
「プログラムで最も影響を受けたのは、自由で積極的に発言をするワシントンD.C.の生徒達の熱意でした。身近で接し、彼らのように積極的に発言したいと強く思いました。沢山のことを学び、そして助けられ、感銘を受けました。」
―管宇鵬氏、福島県、高校2年生
「TOMODACHIは、私にとって家族の様なものです。また、東北地域の方々の温かさに触れすっかり魅了されたので、日本語の勉強に励み、また必ず南三陸町へ戻って来たいです。」
―ジェフリー・ジェンキンズ、ワシントンD.C.、高校2年生
本プログラムは、トヨタ自動車、三菱商事、日立製作所の多大な支援により設立されたTOMODACHI交流基金から資金の提供を受けています。