TOMODACHI世代 グローバル・リーダーシップ・アカデミー2016を東京にて開催~東北のアラムナイが共に学んだ3日間~
「チームメンバーのおかげで自分のリーダーシップスタイルに自信が持てるようになりました」と、TOMODACHI世代グローバル・リーダーシップ・アカデミー2016で参加者のリーダーを務めた明治大学在学中の國分寿樹氏は話してくれました。本アカデミーは、東日本大震災から5年という節目に、東北出身のアラムナイがチームワークの力とお互いから学びを得る経験を肌で実感するプログラムとなりました。
本アカデミーは、2016年3月4日から6日に東京で開催され、過去TOMODACHIプログラムに参加した60名近くの高校生・大学生の東北出身のアラムナイが参加しました。今回、参加者に東日本大震災以降である「これまでの5年」のコミュニティーでの活動などを振り返るだけでなく、2020年に向けて参加者がどのように地域と繋がりを持ち、そして貢献できるか、「これからの5年」を考える機会となりました。参加者は、ソーシャルイノベーションという大きなテーマのもと、3つのトピックス (教育・アントレプレナーシップ(起業)・テクノロジー)をもとにアクションプランを策定しました。この3日間を通じ、アクションプラン策定のためのワークショップやスピーカーセッションの他、英語で進行されたキャリアナイトや各チームの最終プレゼンテーションを含むランチレセプションなど様々なプログラムを実施しました。本アカデミーは、バンクオブアメリカ・メリルリンチの寛大なご支援により実現しました。
東北からの高校生の到着に先立ち、3月3日には大学生リーダーとメンターがバンクオブアメリカ・メリルリンチ東京支社に集合し、自身のリーダーシップスタイルやこの3日間の目標設定を実施した他、竹あかりプロジェクトの一環としてランタン制作を行いました。
第1日目の3月4日は、参加者がワークショップに参加し、出身地域ごと9つのグループに分かれ、個々の参加したTOMODACHIプログラムの紹介や東日本大震災後の地域での活動について共有しました。同日夜、高校生の参加者は、バンクオブアメリカ・メリルリンチでメンターと共に夕食をとりながら、それぞれのキャリアについてお話しを伺いました。
3月5日は、まずNPO法人ETIC.(エティック)インキュベーション事業部 プログラム・マネージャー番野智行氏からソーシャルイノベーションについて基調講演をしていただきました。引き続き教育の分野からは、認定特定非営利活動法人カタリバの場事業部マネージャー金森俊一氏、アントレプレナーシップの分野からは、特定非営利活動法人ウィメンズアイ 代表理事 石本めぐみ氏、テクノロジーの分野からは、アスラテック株式会社事業開発部部長 羽田卓生氏をお招きし、ご登壇頂きました。午後には、チームに分かれ、出身地域のコミュニティーの抱える課題を見出し、解決するためのアクションプラン策定に取り組みました。
大学生としてチームリーダーを務めた、國分寿樹氏(福島県郡山市出身)と梁川菜美氏は(岩手県一関市出身)はそれぞれ経験を次のように語りました。
「私の理想とするリーダー像は、自分が多くを意見するのではなく、チームを適切な時に導くものです。そのためには、チームのディスカッションを把握し、理解しなくてはならず、なんて大変な役割なんだろうと気が付きましたが、それが同時に面白く思いました。初めての『リーダー』という役割でしたが、チームメンバーのおかげで、自分の理想に近い形で進めることができました。」(國分寿樹氏)
「プレゼンを良くしようを取り組み、意見がぶつかり合い、夜中になってもなかなか決まらず、グループで一つのものを、全員が互いに理解し合いながら作っていく事の難しさを痛感した経験でした。私のチームでメンターを務めた方は、高校生と対等に話すことが上手で、いつも同じ目線で話してくれました。だからこそ、皆も話しやすく、気を使わずにいれたと思います。どんな人とでも同じ目線で話す、こんな大人になりたいと思いました。」(梁川菜美氏)
同日夜には、若手の日系アメリカ人を集めたキャリアナイトが開催され、特別ゲストとして、アイリーン・ヒラノ・イノウエ米日カウンシル会長が、日系アメリカ人として、自身の経験を語りました。このキャリアナイトセッションは、TOMODACHI新生リーダープログラムアラムナイの徳山エヴェリン氏とサカナシ・スティーブ氏により企画され、9名の若手日系アメリカ人が英語を交えながら参加者と交流しました。
最終日となった3月6日は、羽田空港第一旅客ビル ギャラクシーホールでランチレセプションが開催されました。この日は、生徒たちにとって3日間の集大成となる、アクションプランの発表です。プレゼンに先立ち、アイリーン・ヒラノ・イノウエ米日カウンシル会長の開会の辞に続き、マリー シェーファー在日米国大使館報道官、ティモシー・ラティモア バンクオブアメリカ・メリルリンチ在日代表、藤田伸也復興庁参事官よりご挨拶と、安倍昭恵総理大臣夫人からビデオメッセージを通じた激励をいただきました。
投票の結果、優勝したチームのアクションプランは、「日本ステキ発見!プロジェクト(仮)」と題し、人口流出・地域への愛着が薄いという問題に対する解決を目指したアクションプランを提案しました。優勝チームは、全チームを代表し、その場で、藤田伸也復興庁参事官にアクションプランを提出する機会を得ました。藤田参事官は、「東日本大震災からの復興は10年がかりと言われており、5年間で中間地点に立ちます。今日のみなさんの発表から多くのインスピレーションを得ました」 とアラムナイの取り組みを称えました。
優勝したチームの大学生リーダーを務めた遠藤古都氏(岩手県盛岡市出身)は、「今回、『他者を後ろから支える』ことで、今まで自分もまた、どれだけ多くの手によって支えてもらっていたか気が付きました。そして、3日間で出会った高校生一人一人が、私のメンターでもありました。TOMODACHIのアクティビティーに参加するたびに、自分の嫌だった部分が、異なる観点から見ると長所に変わると気付かされます。TOMODACHIは私にとって、再考の場、エネルギーや情熱を得る場、昔を思い出す場、とにかく、かけがえのない場所です。」と語りました。
- 本アカデミーのビデオはこちら