21名の日米の学生がワシントンDCで市民社会の役割を学び、共にプロジェクトを策定、社会問題解決の糸口を模索
12名の日本人学生が2月17日から2週間ワシントンDCを訪れ「Building the TOMODACHI Generation: Morgan Stanley Ambassadors Program」に参加しました。日本人学生は、9名の米国人学生と共に2週間、文化交流やリーダーシップの育成を通して、社会的問題解決のために、様々な分野を横断したパートナーシップのモデル構築について学びました。
プログラムの前半では、講義やパネルディスカッションを通して、市民社会の理論や実践的な概念を学びました。また、日米両国における市民社会の役割について理解を深め、東北地方が抱える社会問題の解決に応用する術を学びました。続いてそれぞれ4名の日本人と3名の米国人学生で3つのチームに分かれ、市民社会の長所を生かしつつ、東北地方が直面している諸問題を解決するプロジェクトを考察しました。各チームによるプロジェクトの策定は、参加者がプログラムで学んだことを実存する社会問題に応用し、解決の糸口を模索すると同時に、異なる文化的背景を持つ学生同士が同じ目標に向かい、自身のリーダーシップ・スタイルや、効果的なコミュニケーション方法を学ぶ目的で実施されました。
米国でのプログラム最終日に行われた発表会の審査員は、ワシントンセンター ライアン・クラング氏、日米研究員インスティテュート・上智大学教授 前嶋和弘氏、米日カウンシルメンバー ブルース・ハリウッド氏が務めました。栄えある優勝は、チーム「KAKEHASHI」が受賞しました。チーム「KAKEHASHI」のプロジェクトは、震災によってトラウマを抱える石巻市の若者が、地域リーダーとしてプログラムを企画することで彼らのトラウマを改善するというものです。その企画とは、東日本大震災で被災した、石巻市在住の高校生と阪神淡路大震災で被災した大人と彼らの家族の交流させるものです。具体的には、石巻市の高校生が神戸市に住む家族を訪問し、グループディスカッションやパネルへの参加、復興が行われた神戸市へ視察が含まれています。他のチームも、審査員から高い評価を受けました。チーム「Paper Flower」は、女川市在住で教育を受ける機会が少ない若者が、海藻のアクアファームを経営に携わり、地域にローカルなショップを設立させるというものです。プログラムを通じて学生は課外活動に従事し、また独自の健康用品を販売することで観光客の呼び込みを目指します。
チーム「Building Intergenerational Growth (BIG)」は、日本の世代間離れの問題を解消するための大学と連携したプログラムを提案しました。このプログラムは、日本各地の大学生が1学期間宮城県南三陸町に住むお年寄りの住まいでの生活を通し、様々な社会問題や災害復興について学ぶもので、大学での単位認定とするアイディアです。学生に社会勉強の機会を与えるだけでなく、地域のお年寄りに世代を超えた出逢いを創造することを目的としています。
米国人参加者の一人、ティフィン大学に在籍するエカテリア・ハウフ氏は、日本人学生との会話を楽しみ、日本文化を知ることが出来た。意見の相違があったものの、グループで共に活動することが出来て良かったとプログラムを振り返りました。
帰国翌日、3月5日にモルガン・スタンレー・ホールディングス株式会社で開催された、事後報告会およびレセプションでは、チーフ・アドミニストレイティブ・オフィサーのデイビッド・リチャーズ氏によるプレゼンテーションや参加者によるプロジェクトの発表が行われただけでなく、同社の社員の方々との活発な質疑応答やレセプションでの交流が行われました。
参加者の一人である金泉愛氏は、「はじめは英語を間違えることが怖くてなかなかグループの中で発言できませんでしたが、日本人の仲間もアメリカ人の仲間も耳を傾けてくれて、英語を完璧に話すことが重要なのではなく、自分の意見を伝えることが重要なのだと学びました。このとても大切なことに気が付かせてくれたチームメイトに感謝しています」とプログラムを振り返りました。
モルガン・スタンレー・ホールディングス株式会社の多大なる支援により実施されている本プログラムは、ワシントンセンターと日米研究インスティテュートがパートナーとして参画しており、ワシントンセンターは実施運営を担当しています。